マハトマ・ガンディーは、
「歩いて、塩を作りに行こう」
と言った。
当時イギリスの植民地だったインドでは、
塩はイギリスの専売によってしか手に入らず、
勝手に塩を作ると、逮捕された。
最初は数十人だった海岸までの道のりを進む行列は、
いつしか数千人に膨れ上がり、大行列となった。
海にたどり着いたガンディーたちは、塩を作って、口にした。
イギリスの人間は、何人ものインド人を逮捕したが、
ガンディーたちは、塩作りを止めなかった。
出来上がった塩を手にしながら、ガンディーは言った。
「私はこれで、大英帝国の土台を、揺るがしたのだ。」
昨日昼食から研究室に帰るじいさんと遭遇した。
いつもどおりくだらない会話を交わした。
ごそごそとどこからか紙を出してきた。
対決の結果表だった。
このじじい、いつも持ち歩いているのか...
自分の欄をみると、
「レース前の強気はやはりクチだけであった。これまで
と同様に『曼荼羅』で刈ったが、恥じ入る気配はなし。」
無性にくやしくなってきて、その後走った。
足の痛さも、温かくなってくると段々かすかになってくる。
僕も、いつか、塩を作ってやるぞ、と思う。