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かっこいい人

(2007.2.22にmixiに書いた記事の再掲です。)

面白い人。賢い人。なんかすごい人。絵がうまい人。感じのいい人・・・。

いろんなすごい人に、それまでに会っていた。


でも、純粋に「かっこいい」と思えたのは、実は人生であれが初めてだったのかもしれない。少なくとも、その時点で合った人の中で一番かっこいいひとであったのは間違いない。


今日は、その話をしてみようと思う。


 高校1年生のときだった。時期は今くらい、2月の終わりごろだろうか。寒くはなかったし、暑くもなくて、でも確か秋ではなかったから、きっと今頃だ。
 うちの高校の陸上部は、木曜日が休みだったから、その日は授業が終わってから友達と教室でたわいもないことを話していた。
 帰るとき、部室に忘れ物があったことに気づいた僕は、先に帰っていてくれ、と校舎を出て右に行く友達に別れを告げて、左の旧図書館の方を抜けて、グラウンドへと向かった。
 記憶にないだけだろうか。その日は、なぜだか野球部も、サッカー部も、ハンドボール部さえも、グラウンドにいなかった気がする。もしかしたらテスト前だったのかもしれない。

 忘れ物をとってから、部室から出ると、野球部のボール止めのためのネット越しに、運動場が一望できる。
 そのとき、ふと見ると、短距離トラックにただ一人走っている男がいた。今日は休みだというのに。
 
 彼は足が速い。人生で初めて出会った全国区・ランナーだ。

スタートブロックに足をかけて
視線を地面に落とす。
安定したら、体を持ち上げて、静かにそのときを待つ。

彼の心の中で、ピストルが音を立てた。
きっ、と前を向いて、静かにしかし勢いよく前へ飛び出す。
前へ。

惹かれるように近くまで歩いていって、彼に声をかけた。

「自主練?」と聞くと、
「そう。」と答えて、
地面に、勢いよく、一筋跡をつけた。

僕も視線を落としてみると、スタートラインの隣には

「正」

の文字。
二つ目の、二画目を書き込んだのだ。



帰り際振り返った時、彼はまた勢いよくスタートするところだった。

すぐに、またスタート地点に戻ってきて、三画目を書き入れることだろう。

かっこいいと思った。
彼の話をする人が、よく「才能」という言葉を口にしていた。確かにそれもあるだろう。しかし、それだけではない、と思うようになった。


今週末は、国立大学の二次試験。
彼は今年も医学部に挑戦する。

彼だけでなく、今年受験する友達・後輩たち。

健闘を、お祈りしています。
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by ton2_net | 2007-02-22 02:37 | 陸上 | Trackback | Comments(0)

Ooishiです。もはや社会人です。このブログ記事は、私個人にのみ帰属するものです。なぁんちゃって。
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