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ヒントは現場にあるが、答えは自分の中にある

土曜日は、研究でお世話になっている理化学研究所の
一般公開に説明員として参加してきた。

実験に参加したBigRIPSというFragment Separatorの説明。
何かというと。
加速器で加速して、Targetにぶつけられた原子核が、
たくさんの、様々な種類の原子核を作り出す。 
その色々できた原子核の中から、自分の研究したい原子核だけを
”分けて、選び出す”ための装置。
一般公開では、光をプリズムで曲げて、自分の好きな色の波長の光だけを
通す、という模型で説明した。
これが、本当に良く出来ているんですよ。
e0126903_0313761.jpg

青い光だけがスリット(狭い隙間)を通り抜けて、選別されていますよね。

・ 曲げ方が違う(原子核は、磁場で曲げます。「フレミングの左手の法則」ですね。)
・ 波長(エネルギー)だけでなく、原子核には重さと電荷がある。
という違いがありますが、言葉で説明するよりも、断然分かりやすくて楽しい!!

子どもだけでなく、大人も楽しめるセットになっております。
絶対、自分で作るぞ。

理研全体で7500人、僕のいた仁科センター(のRIBF)には3500人の方に
来場していただいたそうです。
1時間だけのシフトのはずが、楽しくて5時間連続シフトとなってしまった。
とにかく、楽しかった。

うれしかったのは、小さな子どもが何人か、(説明も聞かずに)夢中で模型をいじって楽しんでいたこと。
きっと、すこしでも印象に残ったに違いない。

また、高校生も、「綺麗!」といって、「物理、勉強しようと始めて思った!」と言ってくれたこと。
ここに来て、ここを去る時に、「今まで想像もしなかったこと」を少しでも体験してくれていたら、
それ以上の喜びは無い。



しかし、この「時間も(昼食も)忘れて」取り組めた体験は、僕に課題を与えたことも確かだ。
この模型や、行った説明は、
「専門知識を持たない一般の方に分かりやすく、また興味を持ってもらうため」
という目的が強く、若干正確性に欠ける所がある。
(自分の分かる範囲でなるべく正確に伝える努力はしたが。)

僕がしたいことは、やはり「研究」ではなく「伝える」ことなのか?
そして、そこには「正確性」よりも「わかりやすさ」や「興味関心」が優先するのか?
だとしたら、「博士後期課程」よりは「教育職」や「表現者」の道が適切なのか?


「科学コミュニケーション」という言葉は実は歴史が浅く、
その始まりは1995年、イギリスのBSE(狂牛病)騒ぎに端を発する。
日本で本格的にこの言葉が認知され始めたのは、2005年頃だ。
日本ではまだ「科学コミュニケーション」の分野は”動乱期”だと言って良く、
確たるシステムが無いだけに、
自分にとって「科学コミュニケーションとは?」という定義を持つことが非常に大切だ。

明日お伺いする東大の横山さんは、そこが非常にはっきりしており、内容も先駆的だ
自分にとっての「科学コミュニケーションとは」。
つまり、自分は「科学コミュニケーション」がやりたい、と言っているが、
誰に、どんなことを、どういう目的でやりたいのか、は明確でない。
これがわかっていないと、数ある「科学コミュニケーションのための選択肢」の中から、
一つを選ぶということができない。

結局、判断を下すのは自分だし、それは自分の責任において下さなければいけない。
判断に「失敗した」と思っても誰のせいにもできない。
そして、判断する引き金を引く「答え」は、いつも自分の中にある。
(自分の中に「ある」のか、自分の中に作り出すことができる「可能性がある」のかは知らないが)

ヒントは現場にあるが、答えは、いつも自分の中にある。
明日も、答えを探しに行くのではなく、
自分の中の”答えを探すヒント”を得る為にお話をお伺いしに行く。
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by ton2_net | 2010-04-19 00:54 | SC・メディア | Trackback | Comments(0)

Ooishiです。もはや社会人です。このブログ記事は、私個人にのみ帰属するものです。なぁんちゃって。
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