カテゴリ:ニュース( 4 )


「池上バブル」これ如何に?

発端はブックファーストの遠藤さんのブログ、「池上彰・伝える力」である。
これを読んだ内田樹さんが、「ウチダバブルの末路」でこの記事に触れている。

遠藤さんのブログの中には、茂木 健一郎さんに対する
「茂木バブル」という言葉も使われており、
内田樹のtwitterでの発言を受けてすぐさまブログ上に「当事者として」というコメントを書いた。

最近内田・茂木ペアのブログやtwitter上での意見交換というか、
お互いが刺激を受け合っている感じは、なんだか自由闊達な感じがして良い。
茂木さんの「当事者として」は、結論は違えど、内田さんとの関係を大事にして行きたいという気持ちが現れる結びになっている。


個人的な意見を書く。
遠藤さんは、
「茂木バブル」は出版点数が増えるにつれて1冊1冊のつくりが
スピード重視で雑になり、文字の大きさが大きくなり、
内容が薄くなってきて、でもそれに対して書店での露出は増え、
そして点数が多いことでお客さんが何を買っていいか分からなくなり、
バブルが弾けました。

と書いているが、確かにそういう印象は受ける。
「文字の大きさが大きくなり、内容が薄くなっている」のは本当ではないかな、と思う。
(店頭でぱらぱら読んでるだけだからなんとも言えないけど)
でも、「雑になっている」のとはまた違うのではないかと思う。



今、僕は上野の科学博物館で集中講義を受けている。
科学を一般の人に分かりやすく伝えるためには、という趣旨の授業である。

その授業の一環として、
「自分の専門領域を専門外の人に分かりやすく10分間で伝えてみる」
というものがあった。

僕は、原子核研究の奥深さが伝えられるように、と思い、
原子核の基本的な性質から最新の研究まで、密な内容のスライドを作った。
結果、その発表への反応はイマイチであった。

次の週、僕はスライドを大幅に改定した。
伝えたい内容を減らし、たとえを使うようにしてみた。
原子核は星の進化とともに合成されるのだが、
星の一生を説明するために「いつ見ても(重い星の)波瀾万丈」という
かなり適当な説明をしてみた。

結果、前回の発表よりも明らかにウケが良かった。


聴衆や読者が、いつも密な内容や高度な内容を求めている訳ではないのだ、と気づいた。
思えば、ブログにしたって、
「ちょっとこれは難しいけど挑戦して書いてみよう」ということよりも、
若干軽いタッチで「軽妙」を意識して書いたエントリーの方がコメントの数は多かったりする。

「雑になる」は、あくまで遠藤さん個人としての意見であって、
他の人からしたら、どうかはわからない、ということである。

したがって、編集者や著者は、「手を抜いた」のではなく、
「もっと消費者に求められるものを」と思って作った結果かもしれないのである。

批判は、「個人的な声明として」発表するのは良いと思うのだが、
「あたかも一般性を持っているように」書く事は、
それなりのリスクがあり、軽々と行わないように注意が必要だと思う。
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by ton2_net | 2010-08-13 10:59 | ニュース | Trackback | Comments(0)

読書の新しい可能性

昔、最初に「飛び出す絵本」を見た時、
(これは新しいな)
と思った。
今、電子書籍ならではの新しい挑戦が始まっている。
なるほど、こういうこともできるんだ。


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by ton2_net | 2010-05-23 20:17 | ニュース | Trackback | Comments(0)

Google Chrome OS(グーグルクロームOS)

朝刊各誌に、検索大手のGoogleがOSを開発、というそんなに大きくない記事が掲載されていた [1]。
OS市場ではマイクロソフトがシェア9割を誇っているが、大きな脅威となるだろう、と。
発表によるとこのOS、「起動してから数秒でネットにつながる」ということで、軽快な動作でネットにつながるようにインフラを整備し、ネット上でのGoogleのサービスの使用や、ネット広告事業の拡大などの狙いがGoogleにはあると思われる。
(話はそれるが、僕が感心したのは、Googleの広告システム「アドセンス」は経済格差を是正できるような可能性を持っている、という話を友人から聞いた時だった。理論上、ネットにアクセスできる環境があればHPを持つことが出来る。そこにGoogleの力を借りて広告を置く。報酬は1Click毎に入り、その額はどこの誰が行なおうと世界共通である。世界共通であるから、経済状況の悪い国であればあるほど(自国のお金が米ドルに対して価値が低ければ低いほど)、1Clickの価値は大きくなる!
まず、「ネットにつながれば」という環境と、そして多くの閲覧者を獲得するHPを作る技術の習得という困難が立ちはだかり実現は難しいのかもしれないが、この話を聞いて、僕は妙に感心してしまった。)

Googleの公式ブログを引用した記事[5]を見てみよう。
製品管理担当バイスプレジデントのSundar Pichai氏とエンジニアリングディレクターのLinus Upson氏によるこのブログ投稿には、次のように書かれている。「ユーザーは、コンピュータが起動してブラウザが立ち上がるのを待つのに時間を無駄に費やすことなく、すぐに電子メールを見たいと思っている。また、使っているコンピュータが常に購入した直後と変わらぬ速さで動いてほしいと望んでいる。自分のデータは居場所を問わずアクセス可能なのがよく、コンピュータの紛失やファイルのバックアップ忘れを心配することがなくなればよいと考えている。さらに重要なのは、新しいハードウェアを加えるたびにコンピュータのシステム設定に何時間も費やしたり、絶え間ないソフトウェアアップデートの心配を強いられたりすることを、ユーザーは求めていないという点だ」



このOS開発のニュースは、1973年生まれの二人の技術者の創立したこの会社が、”従来”の考え方に基づいた経営方針の巨大企業についに戦線布告をした、という捉え方もできる。Microsoftは、来週13日から4日間、米国でパートナー向けカンファレンス「Worldwide Partner Conference(WPC)」を開催する。Googleは、OS開発発表の時期を、このカンファレンス直前にわざわざ合わせたのではないか、という意見もある[2]。

インターネットサービスのクラウド・コンピューティング化[3]が叫ばれる中、シェア9割を誇るマイクロソフト「Windows」を、Google「Google Chrome OS」がどこまで追い上げられるか。
「ネット社会はこれから面白くなる」と梅田望夫さんも「ウェブ進化論[4]」の中で書いていた。ウェブ新時代の、これからの展開に注目したい。


●参考
[1]Asahi.com グーグルが「ネットブック」向けOS開発へ 無償提供
[2]ニュース解説 GoogleがChrome OSを発表:クラウド時代の新たなOSバトル幕開け
[3]ウィキペディア「クラウドコンピューティング」
[4]ウェブ進化論-本当の大変化はこれから始まる-ちくま新書-梅田-望夫
[5]「Chrome OS」でマイクロソフトに真っ向対決を挑むグーグル
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by ton2_net | 2009-07-09 12:09 | ニュース | Trackback | Comments(6)

意図していないものに出会う

今日の朝日新聞に、「出版業界の流通革命?返品改善へ「責任販売制」広がる」という記事が出ていた。

現行の出版社と書店の間で交わされている制度は「委託販売制」で、書店は本を出版社に返品する時、仕入れ値と同じ価格で引き取ってもらうことが出来る。
今回新しく導入が検討されている制度は、「責任販売制」と呼ばれる。
定価に占める書店の取り分を現行の22~23%から35%に上げる代わりに、返品する際の負担を書店に求める制度だ。

この制度が導入されると、各書店は気軽に返品できなくなるため、出版社から「売れる本」を吟味して取り寄せる傾向が出てくるだろう。
しかし、心配なのは、「本が売れなくて返品する時に損をする」リスクを考えるあまり、需要の少ないと考えられる本が書店から姿を消すのではないか、ということだ。

たくさんの人が興味を持っているベストセラーや様々な賞の受賞作。
流行を反映した書籍は売り上げが見込め、返品のリスクが少ないといえるだろう。
このような本を重視する傾向の書店が増え、書店に並ぶ本の「画一化」が起こるのではないかと思う。

書店に並ぶ本を眺めるのは、楽しい。
本の題名や装丁、帯の宣伝文句などの「総合的判断」で何気なく手に取った本を衝動買いすることもまれではない。
そういう経験は、「今まで自分が思いもよらなかった世界」を広げてくれる可能性を持っている。
Amazonは、今まで買った商品や、購入した商品と合わせて多くの人が買っている商品をオススメする(recommendation)サービスを行ったことが成功の一つの要因である。
GoogleのAdSenseと同様に、インターネット上に打ち込まれた制限された情報を根拠にPRを行なうので、無差別に送られてくるダイレクトメールよりも「効率」が良い。

しかし、ある本を読んで、次の本を他のたくさんの人が読んでいるからという理由で決めるのは、ある意味において、無限にある組み合わせを大多数の意見によって制限することにもなりはしないだろうか。

内田樹は、教育の持つ意義について、「入試部長の独り言」の「ぼぉっと」過ごせる時間の中でこう語っている。

いちばんつまらない学生生活というのは、「入学時に立てた『学習計画』に基づいて、予定通り単位を取り、資格を取り、免状を取り、検定のスコアを上げて、さくさく卒業する」というものだと僕は思います。
それだとコンビニで買い物するのと一緒じゃないですか。
買い物かごに「欲しいもの」を放り込んで、レジで精算して、店を出る。
たしかに店に入る前に「持っていなかったもの」を、代償を払って所有することはできました。
でも、人間はまったく変わっていないでしょう。
品物が増えただけで、人間は変わらない。
そうですよね。
「買い物」とはそういうものです。
(中略)
いや、別にそれが悪いと言っているのではないのです。
経済活動なら、それでいいんです(欲望の発生と商品の獲得の時間差を「ゼロ」にすることがすべての経済活動の目標なんですから)。
でも、教育は「買い物」ではありません。
教育がめざすのは「買い物かごに入っている品物を増やすこと」ではなくて、「買い物客自身が、店に入る前と出たときでは別人になっていること」です。
店に入る前には「あれが欲しい」と切望していたものが、お店であれこれ見ているうちに「別に要らないや」ということになって、それとはぜんぜん違うものが欲しくなったり、あるいは、あれこれ見ているうちに、「あ、いけね。こんなところでこんなことしている場合じゃないんだ」と店から走り出たり。
教育とは「そういうこと」です。
学校教育の目標は一つだけです。
それは「成熟すること」です。
もし学校に入ったけれど、入学前と卒業時で、考えていることも感じていることも、価値判断も美意識も、まったく変化していない人がいたら、その人は残念ながら、「教育を受け損なった」ということになります。
そんなつまらない学生生活を送ってはいけません。


つまり教育の一つの目的は、
「自分が想像もしていなかったものに出会う」
ということではないかと思う。

そしてその要素こそが、インターネットにいまだ不十分な点であり、新聞、テレビや書店といった既存のメディアを基礎にしたものの「これから押し出していくべき強み」になるのではないかと思っている。

このような時勢の中で、今回の「販売責任制」がその「強み」を発揮する障害にならないことを祈りたい。
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by ton2_net | 2009-06-22 09:45 | ニュース | Trackback | Comments(4)

Ooishiです。もはや社会人です。このブログ記事は、私個人にのみ帰属するものです。なぁんちゃって。
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