新しくなったton2net



2015年 10月 18日 ( 1 )


分かってから、考えろ

昔、大学の研究室に青木先生という方がいらっしゃった。
もうかなりのお年で、既に退官されていたが、
嘱託という形で研究室に所属しておられた。

原子核についてのコンピュータ・シミュレーションが専門の先生で、
基礎的な物理知識の理解が、おそろしく深い方だった。

一昔前の理論・実験両方の研究者達の雰囲気を良く語ってくれ、
「昔、○○さんという恐ろしく頭の良い人がいてねぇ…」などという昔話は、
結構みんなの楽しみになっていたものだった。


研究室では、週に一回論文をみんなで読む会、というのがあって、
そこに、青木先生も参加してもらっていた。

青木先生節、というのは非常に非常に独特だった。
「昔ねぇ…実験でねぇ…○○みたいなことをした若いモンがおってねぇ…。
 君たち、そんな事したらどうなるかわかるか…。そんなことしたら、

 死んでしまうぞ!

この「死んでしまうぞ」の所だけものすごい勢いがつくのであるが、
初めてこの金言に触れた新3年生なんかは、ものすごくびっくりしてしまうのである。

そんなとき、先輩達は目を見合わせて、(出ました!!)とほくそ笑むのである。


「死んでしまうぞ!!」と並んで忘れられない言葉がある。
それは、「分かってから考えろ」という言葉である。

青木先生の言葉を借りれば、
「あのねぇ…わからないうちから悩んでも、
 いつまでたってもわからないんだよねぇ…。
 とにかく手を動かしてねぇ…。
 こういうことか、と分かってからが、考え始めるポイントなんだよねぇ…。」
というようなことであったと思う。


「何のために働くのか」、
「”優しい”とはどういうことか」、
「幸せってなんだろう?」…。


ふと、難しいことを考えて、足がとまってしまうことがある。
自分のやっていることに、意味なんて無いんじゃないか、と思うときがある。

そんな時、もう一度歩き出すにはどうしたらいいだろう?

僕は、そういうとき、青木先生の言葉を思い出す。
「分かってから、考えろ」。


とにかく自分の目で見、手でさわって匂いを嗅いで。
一歩踏み出して、素直に自分が何を感じるのかを確かめてみる。

「そうそう…そんなに力んでもしょうがないからねぇ…」。
どこからか、青木先生の声が聞こえるような気がする。
そうですよね。そんなに考え込んでいたら、死んでしまいますよね。

卒業してからお会いしていないが、元気にされているだろうか。
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by ton2_net | 2015-10-18 21:31 | つくば | Trackback | Comments(0)

Ooishiです。もはや社会人です。このブログ記事は、私個人にのみ帰属するものです。なぁんちゃって。
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>JUN2さん そうだ..
by ton2_net at 13:52
いや、1年くらい前まで有..
by JUN2 at 10:33
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