「
handwavingは、
科学をするものが議論する時に
絶対にしてはいけないものだ。」
という話を聞いて、ふ~ん、と受け流していたのだが、
昨日やっと、「そういうことか!」と、思い知らされる出来事があった。
何があったかというと、研究室で徹夜したのだが、
その時、研究室の同輩と、
「鏡は左右を反転するか」
という議論をした。
その時、まったく逆の立場の意見を持つ女の子がいて、
正しい、正しくないではなく、その子に対して「負けたくない」
という感情が大きくなってきた。
後で聞くとそれは相手も同じだったらしいのだが、
結局相手の言い分を聞かないで、自分の意見を、
「だ、か、ら・・・・」
と押し付け合うようなことになっていた。
それはもはや議論ではなくて言い合いで、
つまりは本当に手を振ってなくても、
それは
handwavingなんだな、と思った。
相手と議論すると言うことは、
相手が何を言いたいのかをきちんと理解した上で、
それに対して反論するものである。
それがscientistとして志すべき議論の仕方ではないかと思った。
いや、自然科学に対してではなく、
全ての「議論」はそうであるべきであろう。
そういう姿勢があれば、実は世の中で議論と呼ばれているものの
ほとんどは必要の無いものなのではないか。
一流の科学者は、例えそれが自分が苦労して作り上げた理論であろうと、
その理論が正しいかどうかの議論を始めたら、
まるで一個のプラモデルを目の前に置いて、
ここは○、ここは×、と言う風に
ころころパーツを取り替えていってしまうように議論を進めるのだと言う。
昨日の議論は、自分の持っている二つのモデルを押し付けあっているだけで、
パーツごとに共通点を見つけるということをしていなかった。
冷静に考えると、同じパーツはずいぶんあるし、
相手のパーツのほうが優れているな、とすぐ分かるものもたくさんあった。
徹夜明けの朝6時から10時まで議論を続けて、
その後にその子と、もう一人中立の立場で議論を聞いてくれていた友達と
2食の朝のバイキングへ行った。
大学院試験を控えて何やってるんだと、
途中まで聞いていた先輩は思っていたかもしれないが、
非常に大切なことを学んだように思う。
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handwaving"