・読書記録
『ゲド戦記Ⅰ 影との戦い』ル=グウィン 清水真砂子/訳
世界三大ファンタジーの一つだって。
すぐ読める。独特の世界観。
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地球には、たくさんの多様な生物がいる。
進化の方向と言うものがあるならば、
行き着く先はどこか一点に向かうのではないか、
こんなにばらばらな方向に突き進んでいくのはなぜなのかが
昔から良くわからなかった。
なぜなのかは知らないが、
ともかくその結果として、今の我々がいる。
地球ができてからの気が遠くなるような年月の間に、
地球は干上がり、激しく燃え、逆に凍りついたりした。
厳しい環境の中で、絶滅するたくさんの種の影で、
生き残った種がいた。
まるで、地球と言う星の中の生物を絶やさないようにするための
作戦のようだと思う。
そして、かろうじて生き残った種は、
変動する気候に適応するために進化を遂げた。
地球規模の大噴火が起こった4億年ほど前には、
地球の酸素濃度が10%以下になるという非常事態が起こった。
そこで哺乳類は横隔膜を獲得し、
低酸素の環境でもわが子に酸素や栄養をしっかりと送れるように、
胎生という特性を見につけた。
危機が起こるたび、進化を繰り返す。
逆に言えば、進化の結果とは、危機を乗り越えた軌跡だとも言える。