新しくなったton2net



世界の声に耳を澄ますこと

野矢 茂樹の「無限論の教室」では、無限には「実無限」と「可能無限」の
考え方があることが紹介されている。

すなわち、その簡単な考え方は
実無限:無限は既に存在していて、私たちがそれを発見して行く
可能無限:無限を作り出す”規則”があるだけで、無限が存在しているわけではない
となる。

例えば、
「円周率に、7が7つ続けて現れる箇所は存在するか?」と言う命題を考えよう。
(今はまだそのような箇所が見つかってないとする。多分見つかってない。)

● 実無限の立場
答えは「真」か「偽」のどちらかである。
答えは既に存在するが、私たちがそれを知らないだけだと言うのである。

一方、
● 可能無限派の立場
答えは「真だとも偽だとも言えない」となる。
なぜなら、円周率を計算し続けることのできる「規則」が既にあるだけで、
なされていない計算の結果については、「まだこの世に存在しない」とするからである。
それは「まだ生まれていない僕の子どもは男の子か、女の子か」と問いかけるのと同じである。
その真偽は、子どもが生まれてからでないと議論できない。

一言で無限と言っても、様々な考え方があり、実に興味深い。


この概念の説明を読んでいて感じたことは、「学ぶ」と言う観点からすると、
我々の周りの世界は、「可能無限」的だな、ということである。


「ラジオ版 学問ノススメ」の内田 樹さんの回で、内田さんが言っていたことが印象的だった。
「私たちは、”贈り物を感じる感性を磨く”ことで、より良く生きられる。」というのだ。
その箇所を、少し要約しながら抜き出してみる。
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基本的には、人に物を書いても、言葉を発しても、
メッセージを送るってことは”贈与”なんですよ。

ラジオなんか聞いてても、「これ、俺に向かって言ってんの?」
って思うときがあるじゃないですか。
それはもちろん勘違いなんですけど、その勘違いが、
コミュニケーションにとって一番根本だと思うんですよ。

「この人は選択的に私に向かってメッセージを発している。」
そう思って、その人にダイレクトに返信したいと思うこと。

何見ても、それは、ある種病気に近くなっちゃうんだけど(笑)、
「これは俺のこと言ってんの」っていうのを何見ても感じられるセンサーを
発達させている人っていうのは世の中がすごく親しみに満ちて見えると思う。

自分に対する愛とか、敬意とか、励ましのメッッセージを、
あちこちから受け取って、あちこちにそれを発しちゃう。
どんな状況に有っても、パーソナルな、素敵なメッセージとして
受け取れる人は、強いと思います。
-----


何か出来事やものがあって、同じ物を何人かが見たとして、
でも、それを「どう受け取るか」は自分次第で、自由だ。
その「自由度」に生きることの奥深さがあるような気がする。

高校数学でも良く出てくる「平面座標」は「デカルト座標」とも言う。
数学者のデカルトが壁に止まったハエを見て、ハエの位置を表すにはどうしたらいいか、
と考えていて思いついたという逸話を聞いたことが有る。

壁に止まったハエを見た人は、人間の歴史が始まってから幾人もいたはずだが、
そこから「平面座標」という画期的なものを生み出すきっかけをとらえられるか。

やろうと思えば、壁に止まったハエから「平面座標の概念」を獲得することが、
「できなくはない」のである。


私たちをとりまく世界は、常に私たちに語りかけていると「思えなくもない」。
それに耳を傾けようとするか否かは、完全に私たちの自由であり、
そこに秘められるメッセージは、可能性としての無限なのだ。
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by ton2_net | 2010-10-21 00:05 | その他色々 | Trackback | Comments(3)
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Commented by ton2_net at 2010-10-22 17:06
「あたしは四十五年かけてひとつのことしかわからなかったよ。こういうことさ。人はどんなことからでも努力さえすれば何かを学べるってね。どんなに月並みで平凡なことからでも必ず何かを学べる。どんな髭剃りにも哲学はあるってね、どこかで読んだよ。」 1973年のピンボール/村上春樹
Commented by ゆーた at 2010-11-02 02:31 x
実無限と可能無限。
なかなか頭の中で住み分けができなかった思い出が。。。
Commented by ton2_net at 2010-11-03 05:35
野矢 茂樹の「無限論の教室」おすすめです。
貸せるよ。
別に、実無限と可能無限のことばかり書いてある訳では無いけど。
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Ooishiです。もはや社会人です。このブログ記事は、私個人にのみ帰属するものです。なぁんちゃって。
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