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新しくなったton2net



定量的

実験は昨日27日の朝9時に無事終了した。
予定より六日あまりの延長だったが、その間に本当に色んなことを教えていただいた。
そして、「定量的に」議論することの大切さと、そしてある量を計算した時に出てくる意外な
(あるいはうなずける)結果が出て来る時の面白さを改めて思った。

たとえば、二つの同様なシグナルを出す検出器をそれぞれアンプに通して、
それを足しあわせた信号を考える。
その時、両者のアンプのゲインがずれている時(例えばアンプのゲインが一方は1、他方がaとする)
の足しあわせの信号の分解能(そのシグナルのデータをガウシアンフィットしたときのシグマをピーク値で割ったもの)は、
両者のゲインが揃っている時(たとえば、二つのアンプのゲインがともに1、1)と比べて
どれくらいの比で悪くなるのだろう?

これを計算した結果、意外な事実(実は当たり前のことなのかもしれませんが…)がわかった。
ゲインが1と無限大、というa→∞という極限を考えても、分解能はゲインが揃っているときの
ルート2倍、つまり約1.4倍しか悪くならないのである。
(この数字を「しか」と言えるかどうかは実験によって求められる精度に寄るが、今回は2%の分解能が2.8%になるだけで、大差は生まれない)
ましてやゲインが30%違うだけの時などはほとんど違いが現れない。

指導教官に、「波高一緒なんだから、ゲイン合わせといた方がいいんじゃないの?」
と今から直すのは結構しんどい時に言われた場合、いつもなら
「(よくわからんが)そうっすね…」といって諦めて直すか、
「それくらい大丈夫なんじゃないですか」と曖昧な返事を返してしまいそうになるが
(すると後者の場合「いや、大丈夫っていうけどさ、じゃあどれくらいずれることになるんだよ!」と聞かれることになる)、
今回式を簡単に追って結局今の状況であればほとんど分解能に影響を与えないんですよ、
と説明したら、すんなりと「ああ、じゃあいいかもね」と納得してもらえた。
数字にこだわり過ぎるのも良くないが、定量的に考えることで議論に具体性が生まれ、
説得力が増すことを改めて思い知った一件だった。



お昼に、実験に参加した大学合同で打ち上げがささやかに行われた。
しかし、広島へ向かうために中座させていただいて25日の夜の飲み会を除けば一週間ぶりの筑波へ。
慌ただしく旅行と帰省の用意、実験の御礼のメール打ち、椎名林檎のCDをiPodに移すなどの作業をした。

今、広島行きのバスの中。気がつけば今年もあと三日しかない。
by ton2_net | 2009-12-28 03:14
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Ooishiです。こちらに切り替えようと思っています。https://ton2net.com/
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