「日本人の足を早くする」 / 為末 大(新潮文庫)
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「できることならアフロアメリカンに生まれたかった。世界一を狙える体に生まれたかった。」
ため息をつきながらそう思う日本人選手は多いと思います。アフリカ系アメリカ人のような体のバネが自分にもあったら・・・・・私も何度もそう思いました。
そして、そのたびに、そうした無いものねだりを戒めました。確かに、生まれ持った能力は高い方がいいに決まっていますが、私はこの国に生まれ、この国の文化の中で育ったからこそ、こんなに充実した陸上人生を送ってこられたのです。
自分に与えられた体をどうやって最大限に生かすか。
1000分の一秒でも早くなるために、どんなトレーニングをして、どのような体の動かし方を会得するべきか。(本文より)
追いコンの時、チャドの言っていた、「もっと考えながら陸上をして欲しい」という言葉を思い出します。